気になる住宅ローンの種類と、これからの金利の動向は?-②

今後、住宅ローンの金利はどうなる?

昨日、住宅ローンの金利には大きく3つのタイプがあるとお話いたしました。

昨今の住宅ローン金利はマイナス金利の影響で、金利が極めて低い状態になっ

ておりました。

なので家を建てたい方々にとってはそれこそ未曾有のチャンスとなって

いました。

でも、今この状況が大きく変わろうとしています。

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マイナス金利って何?

今後のお話をつづる前に、まずマイナス金利というものが何かを簡単にご説明

致しますね。

マイナス金利との表現は、「日銀が銀行にお金を貸すときの金利」のことを

指しています。

私たちが金融機関よりお金を借りる時の金利がマイナスになるわけではあり

ません。残念ながら(^^;)

なので、マイナス金利は住宅ローン金利がマイナスになったという事には

ならないのでご注意ください。

マイナス金利が住宅ローン金利にどう影響を及ぼすかは、遡って考える必要

があります。


マイナス金利と長期金利の関係

住宅ローンそのものは、まずは貸し手である銀行の話から始める必要があり

ます。

マイナス金利については、インターネットなどで調べてみると、「長期金利

がマイナスに!」といった見出しで検索エンジンに引っかかってくると思います。

この長期金利というのは、国の借金である国債の利回りのことを指し、そのなか

でも「10年物国債」の金利を「長期金利」といいます。

まず国債とは、国が国内外の銀行や投資家からお金を借りるために発行する手形

のことを指します。前述のように国の借金です。

ニュースなどでは赤字国債の乱発などが問題に上がっていますが、国は国内外の

銀行や投資家に国債を買ってもらうことで、財源の一部を賄っています。

言葉のとおり「10年物国債」というのは、償還期間(国が借りたお金の返済に要

する期間)が10年ものの国債のことです。

国債にはこのほかにも5年物、3年物など種類がありますが、10年物国債の金利が

一番安定しているため、その利子率を「長期金利」と呼ばれる経済指標として用

いるのです。

つまり、長期金利がマイナスになったというのは、10年物国債の利子がマイナス

になったということなのです。

通常は銀行が国債を買うと、銀行には利子がつきます。しかし、マイナス金利で

は、国債を買うと、逆に利息(じっさいは手数料になるんですが...)を定期的に

取られてしまい結果、利回りがマイナスになるわけです。

この「長期金利」が直接住宅ローン金利を指す訳ではないのですが、住宅ローン

金利を決定づけ大きな関係があるのです。


長期金利と住宅ローンの関係

「長期金利」がなぜ住宅ローン金利を決定づけるほど密接な関係にあるのでし

ょう?

それはキモは「銀行の考え方」にあります。

銀行の業務について考えてみましょう。

銀行はお客様より預金を集め、これを企業へ貸し付けたり個人のお客様へ貸し

付けたり「資産の運用」によって利益を上げています。(これだけに限りませ

んが)つまり、「どこにお金を貸すか」、もしくは「誰から資産を買うか」を

決めるというです。

分かりやすく単純にいうのであれば、「融資(住宅ローン)を貸し付ける」、

「日銀に預ける」、「国債を買う」という3つの選択肢しか無いとしましょう。

マイナス金利の状態の場合では、「日銀に預ける」「国債を買う」という選択

肢は手数料を取られる一方となります。

したがって、金融機関の利益を考えれば、この2つの選択肢は少なめにして

「住宅ローンを貸し付ける」ほうに資産を注ぎ込みたいというわけです。

しかし、「住宅ローンを貸し付ける」ためには、借り手(施主)を探さなけれ

ばなりません。

前のブログでも書きましたが、住宅ローンを借りたい人(住宅を建てたいと思

っている人)は無尽蔵にいるわけでもなく、又、借入できる限界値はご収入や

返済能力によって変わります。

なので、銀行は住宅ローンの借り手を増やす工夫をすることになります。

住宅ローンの借り手を増やすには...

これは金利を引き下げれば良いのです。

今まで2.00%だった住宅ローン金利が1.0%に引き下げられたら、「それなら家を

建てたい!」と言う方が現れるでしょうし、返済比率が下がるので、今までは

2千万円までしか借入できなかった方が2500万円まで借入が増やせるようになり

ます。

このような理由で、マイナス金利の今までは、住宅ローン金利が低い状態になっ

ていたのです。


マイナス金利の影響で住宅ローン金利は史上最も低い金利だった!

実経済の中で、固定金利型住宅ローンの利子率は、長期金利を参考にして決めら

れています。

長々と10年物国債利金利「長期金利」と長期金利の金融機関の貸出金利が、密接に

かかわっている事を説明してまいりましたが百聞は一見に如かず、下記の表をご覧

いただけると、上記金利たちがほぼ同期している事をご確認いただけると思います。

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(引用元:実戦 住宅ローン)

この金利の動きを見るとマイナス金利を導入すると発表された後の2016年に最低金利を

付けた後、緩やかに上昇しているのがわかりますよね。

そうです。このマイナス金利の影響は今後もずっと続いてゆくとは言えないと予測

されるのです。


国際情勢や国内の動きにも敏感に!

マイナス金利の影響で消費者は恩恵を受けましたが、逆に不利益を被った面も多くあり

ました。特に地方銀行や信用金庫などの金融機関は、大手都市銀行が金利をあまりにも

低く貸し出すので、主要商品の住宅ローンで利益をなかなか出せず経営不振に陥ったり、

又、生命保険各社ではマイナス金利嫌って、投資対象として日本国債を外したため国債が

売れないといった動きが出てきたりしました。

国際的な要因も多く出てきております。

アメリカなどでは以前から日本の低い国内金利について色々と非難しておりました。

特に昨今は、FRB(アメリカの日銀のような機関とお考え下さい)議長がイエレンさんから

パウエルさんに変わりました。

これによってアメリカ国内では利上げの基調がより強くなってゆくでしょう。

その他にも日本の地政学的な問題など難しい話もあるのですが、このことについて

いつ家を建てるべきか迷っている方は、資金調達セミナーも開催しているアイズホームまで

お気軽にお問い合わせください。


住宅ローンのことなら住まいの専門家に相談してみよう

変動金利の住宅ローンを選ぶべきか、それともフラット35などの固定金利の住宅ローンを

選ぶべきかは一番悩ましいことだと思います。今後のを見据え、将来金利がどうなるか、

しっかり分析しながら、それぞれのローンの仕組みや特徴を知り、お客様に合ったタイプの

住宅ローンを選んでまいりましょう。

お客様にあった住宅ローンの選別には専門的な知識が必要となります、住まいの専門家に

相談してみるとよいでしょう。

住宅ローンの固定金利や変動金利のことで迷ったなら、住宅のプロ・アイズホームに気軽に

ご相談ください。


まとめ
これからの情勢や、仕組みをよく知ることで住宅ローンを賢く使うことができます。

又、マイホームを購入する際のお金に対する不安も取り除くことができます。

住宅ローンの金利タイプには、それぞれにメリットやデメリットがあり、人によっても状況は

異なります。

現在の生活だけでなく、ご家族の将来や老後のことなども考えて、賢い住宅ローン選びをする

ようにしましょう。

長々とお付き合いいただきありがとうございました!!