今回も基礎のお話ですが、ちょっと専門的なお話になります。
家づくりにおいて基礎工事は土台が乗る大事な部分でもありますし、
工程の中でも一番最初の工程といえます。
したがって施工店との信頼関係もまだ深まっておらず、施主であら
れるお客様からすれば後戻りもできず、一番ご不安な時期なのかも
しれません。
それだけにコンクリート打設後に気泡やジャンカといわれる穴状の
状態を発見して「これって大丈夫なの?」といったトラブルになった
りするのです。
実際、基礎工事の品質は施工する施工店の技術によってかなり差がで
てます。
上記のようなジャンカは、枠にコンクリートを打設する際に、必ず巻
き込む空気が原因です。
巻き込んでしまった空気は、バイブレータを使用して追い出しますが、
追い出しきれなかった空気がジャンカとなるのです。
ジャンカは見た目だけの問題ではなく、数が多いと基礎の強度が低下し
てしまいます。
したがって、手間を惜しまずバイブレータをしっかりかけ、巻き込んだ
空気をどれだけ輩出できるかがカギとなります。
その他にも水セメント比の関係も大事です。
基本コンクリート打設は晴れの日に行いますが、今の時期ですと打設中
に天候が変わり突然雨が降ってきたりして、生コンに雨水が混入しまっ
たりしますよね。
そのばあい、お客様からすれば「水で薄まって、基礎が弱くなるのでは...」
と心配になります。
実際、「水セメント比」と呼ばれる数値が低下しますから、生コン内のア
ルカリ性が弱まって、鉄筋が錆びやすくなってしまいます。
水セメント比とは、セメントの重さに対する水の重さの割合のことです。
水セメント比40%という場合、セメントの重さに対して水の重さが40%の比率
で入っていることを意味します。
水セメント比が少ないコンクリートでは、セメントの量が多くなるため、中
性化に強いコンクリートができます。
(半面、流動性が落ちるので打設しにくくなってしまったりもします)
なので、そういった突発的な天候不順などにも対応できるよう、しっかりと
施工店は準備を整えていなければなりません。
基礎は鉄筋にて配筋を施したのち、コンクリートを打設するわけですが、
コンクリートと鉄筋はとても相性が良く、圧縮力と引っぱり力の両方に強い
ことで有名です。
ちょっと専門的になりますが、鉄筋は引っぱりに対する強度が高く、コンク
リートは圧縮に対する強度が高いため、お互いのストロングポイントを生か
し弱い部分を補完しあえる組み合わせなのです。
その他にも、鉄は錆びてしまうと弱くなる特徴がありますが、アルカリ性の
コンクリートと密着させているお陰で、鉄筋が酸化しない(錆びない)ため、
長期間強さを発揮するのです。
もちろん長い年月の経過によってコンクリートの中性化が進めばコンクリート
内部の鉄筋が酸化しやすくなるのですが、基礎はその鉄筋を覆うコンクリート
の厚さであるかぶり厚さを十分に確保することで、鉄筋が錆びるのを防いでい
るのです。
なのでジャンカなどはその厚みを減じてしまうのみか、鉄筋が外気に触れてし
まう恐れもあるため、基礎の仕上げ前にしっかりと補修を行ったりします。