床暖房、実際どう?光熱費やエアコンとの比較を考える

  1. トップ
  2. ブログ
  3. 床暖房、実際どう?光熱費やエアコンとの比較を考える

こんにちは!アイズホームの広報担当・ウメムラです。

 

新築に設置する暖房器具として人気の高い床暖房。

しかし

「結局、エアコンとどっちがいいの?」

と悩んでしまう声もよく耳にします。

床暖房は、メリットとデメリットをどちらも理解しておかないと、高額な電気代に驚いてしまったり、トラブルにつながったりする可能性もあるんです。

 

今回の記事では、床暖房のメリットとデメリットを正しく理解できるよう解説しています。エアコンとの比較にも触れていますので、家族に合った暖房選びのヒントにしてくださいね。

 

床暖房の種類

はじめに、床暖房の種類を知っておきましょう。

床暖房には大きく分けて「電気式」と「温水式」の2つの種類があります。

 

[1]電気式床暖房

電気式は、床下に配置した電熱線を温める種類の床暖房です。

おもに下記の3つのタイプがあります。

 

・電熱線式

・蓄熱式

・PTCヒーター式

 

電気式床暖房は、設置コストが比較的安く、新築でもリフォームでも多く採用されています。

しかし、温度ムラができやすいこと、電気代が高額になりやすいことが短所です。

そのため、キッチンの足下だけなど、一部分への施工が推奨されています。

 

[2]温水式床暖房

温水式は、床下にパイプを這わせ、温水を流して部屋をあたためる床暖房です。

温水をつくる熱源の違いにより、おもに下記の3つのタイプがあります。

 

・ガス式

・ヒートポンプ(電気)式

・灯油式

 

温水式床暖房は、電気式と比較すると光熱費が安い傾向にありますが、その代わりに初期費用が大きくなります。

温度ムラができにくく、広い面積を温めるのに向いています。

 

床暖房のメリット・デメリットとは?

床暖房を検討するなら、メリットとデメリットのどちらも知っておくのが大切です。

先に、メリットからご紹介しましょう。

 

[メリット1]部屋全体を温められる

床暖房は、足元からじんわり熱を空気に伝える輻射熱(ふくしゃねつ)を利用しています。

温かい空気は上昇する特性があるため.、効率的に部屋全体を温められます。

 

[メリット2]空気が乾燥しにくい

温かい空気を送風するエアコンでは、気流を発生させる分、空気が乾燥しやすくなります。

床暖房は気流が発生しないため、温風が肌にあたって乾燥してしまうのを防げる点がメリットです。温風によってダニやホコリが舞うのも減らせます。

 

続いて、デメリットを3つご紹介します。

 

[デメリット1]暖房しかできない

大きなデメリットとしてあげられるのは、床暖房を設置したとしても夏場のためにエアコンも必要というところです。

温熱環境を整えるための器具を2つ用意しますので、初期投資も交換も2倍のコストがかかる計算になります。床暖房自体の掃除の手間はありませんが、エアコンのメンテナンスが必要です。

 

[デメリット2]多くの中から最適な種類を選択しなければいけない

 2つ目のデメリットは、床暖房に多くの種類があること。 それぞれの特徴をよく把握しないまま初期投資の小ささで電熱式を選んでしまうと、高額な電気代になってしまいます。

 

[デメリット3]低温やけどの可能性

床暖房をつけたままうっかり寝てしまうと、低温やけどをしてしまうリスクがあります。低温やけどは44〜50度くらいの温度に長時間触れ続けるとおこる症状。小さなお子様のいるご家庭は特に気をつける必要があります。

なお、温水式ではそこまでの温度に達しない機種が多いです。導入前にご確認をおすすめします。

 

床暖房の光熱費は?

床暖房の設置で迷われる方が多いポイントは光熱費です。

エアコンより効率的に暖房できると思われていますが、実はそうとも限りません。

床暖房は、種類や使い方によってかかる光熱費が大きく変わるのです。


種類によって差が出る電気代

以下は、2種類の床暖房の電気代目安を比較した表です。

どちらも、1日8時間連続使用、室温約20℃一定状態で30日運転を想定しています。

 

あたたかめ(床温約30℃)設定 ひかえめ(床温約25℃)設定
電熱式 ※1

PTCヒーター式

約 7800円/月 約 3500円/月
温水式 ※2

ヒートポンプ式

約 4500円/月 -

2022年7月22日改訂新電力料金目安単価31円/kwh(税込)にて計算

※1:パナソニック電気式床暖房フリーほっと 10畳用 商品サイト

※2:パナソニック温水式床暖房フリーほっと温水W 10畳用 商品サイト

 

ここから、電熱式と温水式でも大きく金額が異なることがわかるでしょう。

さらに、電熱式では設定温度が5℃違うだけで倍以上のランニングコストがかかります。

 

床暖房で節電するには

電力負担の大きくなる運転開始時の対策をすることで、ランニングコストをコントロールできます。

床暖房の光熱費を節約する方法には、以下のようなものがあります。

・ON/OFFを繰り返さず、連続運転を行う

・電力負荷がかかる立ち上がりの際は、エアコンなど他の暖房器具と併用する

・広い面積に施工するなら温水式を選ぶ

 

床暖房の光熱費が気になるなら、適切な機種選びと正しい節約方法を知ることが大切です。

 

床暖房とエアコンの比較

ここまで、床暖房についてご紹介してきました。

実際のところ、エアコンとどっちがいい?と迷ってしまう方もいるかもしれません。

エアコンと床暖房の違いを比較する3つのポイントを考えてみましょう。

 

[1]電気代

エアコンの暖房運転時の消費電力から、先ほど光熱費計算した床暖房と同じ時間運転した場合の電気代を計算してみます。

10畳用エアコン(※3)で、約5100円/月(税込)と算出されます。

※3:パナソニックエオリアLXシリーズ 商品サイト

 

計算上では、温水式の床暖房に近い電気費用になることがわかりますね。

 

実際には、機種や使い方、家の性能によって違いがでてきます。
例えば、設定室温に達すると省エネ運転に切り替える「自動運転機能」が働くかどうかによっても、電気代は大きく変わります。

特に、高気密高断熱でパッシブデザイン(太陽熱や風などの自然エネルギーを利用する設計)を採用している家の場合は、日差しの温かさを活用できる日中はあまり暖房がいらないので、自動運転機能が働くと大きく光熱費を節約できます。

その点では、床暖房よりも需要が広いエアコンのほうが、高性能な機種が多く選びやすいといえるでしょう。

 

[2]部屋が温まるまでの時間

床暖房は、部屋全体が温まるまでに少し時間がかかります。早朝に部屋を暖かくしたいときは、タイマー設定を利用して起床の30分ほど前に床暖房のスイッチが入るようにするといった工夫が必要です。

 

[3]足下の温かさ

エアコンから発せられる温かい空気は、天井付近に溜まってしまう傾向があります。

シーリングファンやサーキュレーターを活用し、空気を循環させて解消しましょう。

床材に、自然の温かみを感じられる天然木素材を採用すると、裸足で触れたときのひんやり感は軽減できますよ。

反対に、床暖房が施工できない無垢の床材もあるので、自然の温かさや無垢材の調湿機能を優先するのであればエアコン暖房のほうが向いています。

 

床暖房もエアコンも、それぞれ短所があるもののカバーする方法があります。効率のよく運転できる方法を知り、最適な暖房器具を選びましょう。

 

まとめ

床暖房のメリットやデメリット、エアコンとの比較についてご紹介しました。

 

床暖房は多くの種類があり、それぞれ適切な使い方があります。効率よく安全に利用するには、正しい知識をつけることが大切です。

エアコンでも、足元の温かさ対策や調湿対策をおこなえば、快適な空間にできますよ。

 

アイズホームでは、住宅自体の性能を高め、家庭用エアコン1台で家全体を温める「床下エアコン暖房」をおすすめしています。

通常の壁掛けエアコンでは足元が寒くなりがちですが、床下エアコンは床が温かくなるので、足元からポカポカ。床下から家全体を温められます。

参考:アイズホームの『松尾式空調システム』

 

つまり、家自体が高気密高断熱なら、日々の光熱費はもちろん、暖房器具を選ぶ手間や導入コストも減らせるのです。

 

ご家族に合った暖房器具に迷うときは、一度、私たちのモデルハウスにお越しください。

驚くほど暖かいお部屋を体感いただけます!